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【マーケティングとは】販売や広告との違いもわかりやすく解説

マーケティングとは

今回は「マーケティングってそもそも何?」という根本の根本に立ち戻って整理したいと思います。

マーケティングという言葉をよく耳にするけれど、いざ自分の言葉で説明しようとなると言葉に詰まる、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。マーケティングとは、簡単に言えば「顧客のニーズを満たして利益を上げる仕組み作り」です。しかし、販売や広告とは何が違うのか、マーケターという仕事は具体的にどのようなものなのか、解像度高く理解している方は少ないかもしれません。そこで、この記事ではマーケティングの意味や定義、販売や広告との違い、マーケターの仕事内容などについて、わかりやすく解説します。

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著者「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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目次

マーケティングとは

マーケティングを一言で言うと「顧客のニーズを満たして利益を上げる仕組み作り」です。マーケティングには様々な定義があるので他の定義を見て掘り下げていきましょう。

マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーは、マーケティングを以下のように定義しています。(参考:フィリップ・コトラー、ケビン・レーン・ケラーの「マーケティング・マネジメント」)

マーケティング・マネジメントとは、ターゲット市場を選択し、優れた顧客価値を創造し、提供し、伝達することによって、顧客を獲得し、維持し、育てていく技術および科学である。

つまり、マーケティングとは、顧客のニーズを把握し、そのニーズを満たす商品やサービスを開発・提供することで、顧客の満足と企業の利益を同時に実現することを目指す活動です。

日本マーケティング協会は、マーケティングを以下のように定義しています。

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。

この定義は、コトラーの定義と少し異なりますが「顧客との相互理解を得ながら」という顧客のニーズにフォーカスしている点は共通しており、マーケティングのコアであることがわかります。

販売とマーケティングの違い

販売とは、顧客に対して商品やサービスを提案し、購入を促す活動です。一見、マーケティングと同じ感じもしますがそうではありません。

マーケティングの世界では「マーケティング・ミックスの4P」というものがあります。Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つの要素を組み合わせて、顧客のニーズを満たす商品やサービスを提供するプロセスです。

広義のマーケティングはこの4P全体を示しますが、「販売」は4PのうちPromotion(販促)のみを指します。したがって、販売はマーケティングの一部であるとも言えますね。

マーケティングと混同される言葉として「広告」や「営業」も同じです。これらもマーケティングそのものではなく、「販売」の一部です。

  • 販促:商品の購入を促す活動。特に割引や特典などのキャンペーンを指すことが多い。
  • 営業:特に人(セールスマン)の力を介して商品を販促すること
  • 広告:特に媒体(Web広告、マス広告など)の力を介して商品を販促すること

このように定義するとわかりやすいかもしれないですね。繰り返しになりますが、販促・営業・広告これら全て、マーケティングの「Promotion(販促)」の中の一部です。

マーケターという仕事とは

マーケターとは、マーケティングの専門家です。マーケターの仕事は、市場調査や分析、商品開発、広告宣伝など、マーケティングに関する一連の業務を行うことです。具体的には、以下の業務を担当します。

  • 市場調査や分析
  • 商品開発企画の推進
  • 広告戦略の立案と推進
  • 営業戦略の立案と推進

マーケターは、企業の経営戦略を実現するために、顧客のニーズを把握し、そのニーズを満たす商品やサービスを開発・提供することで、顧客の満足と企業の利益を同時に実現する役割を担っています。

一方で、このような広義のマーケティングを担うマーケターはそれほど多くありません。多くの企業では、細分化されて担当にタスクが張り付いています。

例えば、最近よく「デジタルマーケティング」「Webマーケティング」という言葉も耳にすると思いますが、これらは広告・販売のデジタルやWebの部分を担うマーケティング(担当)ということになります。なので「デジタルマーケティング」「Webマーケティング」はマーケティング活動の一部であって全てではない、ということも言えます。

マーケティング戦略立案の基礎

マーケティング戦略とは、企業がマーケティング活動を成功させるために、策定する戦略です。王道のマーケティング戦略は、大きく分けて以下の4つの要素から構成されます。

  • 市場・競合・自社の分析(3C)
  • ターゲットの設定とポジショニング(STP)
  • 魅力的な商品の提供(4P)
  • 顧客に魅力を伝えて売上に繋げる(AIDA)

市場・競合・自社の分析(3C)

市場・競合・自社の分析(3C)とは、マーケティング戦略を立案するために、市場の状況、競合他社の状況、自社の状況を分析するプロセスです。市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を指し、市場の分析では、市場の規模や成長性、競合他社の分析では、競合他社の強みや弱み、自社の分析では、自社の強みや弱みを把握します。

ターゲットの設定とポジショニング(STP)

ターゲットの設定とポジショニング(STP)とは、マーケティング戦略の対象となる顧客を明確にし、その顧客に対して自社がどのようなポジションを確立するかを決めるプロセスです。STPはSegmentaiot, Targeting, Positioningの頭文字になります。ターゲットの設定では、顧客の属性やニーズを分析し、自社がターゲットとする顧客を明確にします。ポジショニングでは、自社が競合他社と差別化できる独自の価値を打ち出し、顧客の意識に残るポジションを確立します。

魅力的な商品の提供(4P)

魅力的な商品の提供(4P)とは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの要素を組み合わせて、顧客のニーズを満たす商品やサービスを提供するプロセスです。

Productでは、顧客のニーズを満たす商品やサービスを開発します。Priceでは、顧客の購買意欲を刺激する価格設定を行います。Placeでは、顧客が商品やサービスを簡単に購入できる販売チャネルを構築します。Promotionでは、顧客に商品やサービスの魅力を伝えるプロモーション活動を行います。

顧客に魅力を伝えて売上に繋げる(AIDA)

顧客に魅力を伝えて売上に繋げる(AIDA)とは、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Action(行動)の4つのステップを踏んで、顧客に商品やサービスの魅力を伝え、購買行動を促すプロセスです。

Attentionでは、顧客の注意を引く必要があります。Interestでは、顧客の関心を引き、自社や商品・サービスに対する理解を深めてもらいます。Desireでは、顧客に欲求を喚起し、購入を検討してもらいます。Actionでは、顧客の購買行動を促します。

マーケティング戦略は、これらの4つの要素を組み合わせて立案します。それぞれの要素を効果的に組み合わせることで、企業のマーケティング活動を成功させ、売上や利益の向上につなげることができます。

まとめ

今回はマーケティングの意味や定義に立ち戻り、販売や広告との違い、マーケターの仕事内容などについて、わかりやすく解説しました。