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【マーケティングの「4P」とは】スタバ・Netflix・ユニクロの事例で解説

マーケティングミックスの4P

現代のビジネスにおいてマーケティング戦略を立てる際に、「マーケティング・ミックスの4P」は、とてもトラディショナルなフレームワークですが、実際に非常に役立ちます。この記事では、この4Pが何を指し、どのようにビジネスに活用されるのかをスターバックス、Netflix、ユニクロの事例を通して初心者にもわかりやすく解説していきます。

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著書「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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目次

マーケティング・ミックスの4Pとは

マーケティング・ミックスの4P

マーケティング・ミックスの4P

マーケティング・ミックスの4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(場所)、Promotion(プロモーション)の各要素から成り立っています。これらはマーケティング戦略を構築する上での基本的なフレームワークであり、顧客のニーズに合わせてこれらを適切にミックスすることが成功の鍵となります。

事業やマーケティングの戦略を立てる際に、これら4つの側面が漏れなく適切に計画されているか、ということを確認するチェックシートとしても使えます。

また実務的な側面では、提案書や戦略書、何らかの計画書を作成する際に、4Pに沿って資料を作ると情報が整理され相手(上司やクライアントなどステークホルダー)にも伝わりやすくなるでしょう。筆者も作成資料上でよく使うフレームワークになります。

マーケティング・ミックスの4Pと3Cの違い

似た位置付けの基本的なフレームワークに3Cモデルというものもありますね。3Cモデルは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(会社)の3つの要素に焦点を当てた分析モデルです。

▼3C分析の詳細はこちら

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一方で4Pは、企業がコントロール可能な内部要素に注目します。3CのCompany(会社)部分を深掘るのが4Pとも言えるでしょう。これらのモデルは、それぞれ企業の外部環境と内部戦略に焦点を当てることで、補完関係にあります。

どのような時に役立つ理論か

4P分析は特に、新製品の市場投入、既存製品の市場再定義、あるいは市場競争が激化している際に役立ちます。市場のニーズに合わせて製品を開発し、適正な価格設定を行い、適切な場所で販売し、効果的なプロモーションを行うことで、企業は市場での成功を収めることができます。

企業の事例

スターバックスの事例

  • 商品 (Product): スターバックスは、高品質のコーヒー豆を使用し、エスプレッソベースのドリンク、フラペチーノ、ティー、フードアイテムなど幅広いメニューを提供しています。彼らは顧客体験を重視し、店内の快適な座席やWiFi提供など、顧客が居心地の良い空間として利用できるように工夫しています。
  • 価格 (Price): スターバックスはプレミアム価格戦略を採用しています。高品質な製品とサービスのために、顧客は他のコーヒーショップよりも高い価格を支払うことを受け入れています。
  • 販促 (Promotion): スターバックスは、スターバックスリワードプログラムや季節限定のプロモーションを通じて顧客のロイヤリティを高めています。また、ソーシャルメディアやデジタルキャンペーンを積極的に活用し、ブランドの認知度と顧客関与を強化しています。
  • 物流 (Place): スターバックスは戦略的な場所に店舗を配置し、市場の機会を最大限に活用しています。主要な商業地区、ショッピングモール、大学キャンパスなど、高いフットトラフィックが期待できる場所に店舗を開設しています。
  • 成功のポイント: スターバックスの成功は、品質へのこだわり、強力なブランドイメージ、および顧客体験への重点によるものです。彼らは、ただのコーヒーショップでなく「第三の場所」としての地位を確立しました。

ユニクロの事例

  • 商品 (Product): ユニクロは、シンプルで実用的なアパレル製品を提供しています。彼らは「LifeWear」というコンセプトを掲げ、快適さと機能性を重視した商品を開発しています。ヒートテックやエアリズムなどの革新的な素材を使用した製品は特に人気です。
  • 価格 (Price): ユニクロは手頃な価格設定で高品質な製品を提供しています。彼らの価格戦略は、広い顧客層にアクセスすることを可能にしています。
  • 販促 (Promotion): ユニクロは効果的な広告キャンペーンを展開し、しばしば著名なデザイナーやアーティストとのコラボレーションを行っています。これらの戦略は、ブランドの認知度と魅力を高めるのに寄与しています。
  • 物流 (Place): ユニクロは、世界中の主要な都市に店舗を展開しています。また、オンラインストアを通じて製品を販売し、オフラインとオンラインの融合により顧客体験を強化しています。
  • 成功のポイント: ユニクロの成功は、一貫したブランドメッセージ、継続的な製品イノベーション、および国際市場への積極的な拡大によるものです。彼らは、品質と価格のバランスを見事に実現しています。

Netflixの事例

  • 商品 (Product): Netflixは、映画、ドラマ、ドキュメンタリーなど、多様なジャンルのコンテンツを提供するデジタルストリーミングサービスです。彼らの強みは、質の高いオリジナルコンテンツの提供です。
  • 価格 (Price): Netflixは複数の価格プランを提供し、異なる顧客のニーズに応じています。これにより、さまざまな顧客層がサービスを利用することが可能です。
  • 販促 (Promotion): Netflixはソーシャルメディアマーケティング、コンテンツに関連するイベント、特別オファーなど、多様なプロモーション戦略を採用しています。また、口コミの効果も非常に強いです。
  • 物流 (Place): Netflixはオンラインプラットフォームを通じてサービスを提供しており、世界中どこからでもアクセス可能です。
  • 成功のポイント: Netflixの成功は、強力なコンテンツライブラリ、継続的なオリジナルコンテンツの投資、およびユーザーに合わせたカスタマイズされた体験の提供にあります。彼らは、ストリーミングサービス市場における先駆者としての地位を確立しました。

まとめ

マーケティング・ミックスの4Pは、製品の企画から販売、プロモーションに至るまで、企業が市場で成果を出すための戦略を練る際の基盤となる概念です。ここでご紹介したスターバックス、Netflix、ユニクロの事例は、4Pを効果的にミックスすることで、ブランドを成功に導く一例として参考になるでしょう。このフレームワークを理解し、適用することで、他の企業も市場での成功を目指すことができます。