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顧客志向を忘れて陥りやすい「マーケティング近視眼(マイオピア)」とは?事例つきでわかりやすく解説

マーケティング近視眼

マーケティング近視眼

マーケティングは、顧客のニーズを把握し、満たすための活動です。しかし、企業によっては、自社の製品やサービスを中心とした考え方に陥ってしまい、顧客のニーズを十分に把握できていないことがあります。このような状態を「マーケティング近視眼(マイオピア)」といいます。

マーケティング近視眼に陥ってしまうと、顧客のニーズに応えられず、業績悪化や倒産につながる可能性があります。そのため、マーケティングを行う企業は、マーケティング近視眼に陥らないための対策を講じることが重要です。

目次

 

近視眼とは

近視眼とは、目の前にあるものをはっきりと見ることができず、遠くのものをぼんやりとしか見ることができない状態のことです。

マーケティングの文脈で近視眼という言葉を使う場合、顧客のニーズを把握できていない状態を指します。つまり、自社の製品やサービスを中心とした考え方に陥り、顧客の視点に立って物事を考えることができていない状態です。

マーケティング近視眼(マイオピア)とは

マーケティング近視眼とは、マーケティングに対する視野が狭まっている状態です。言い換えれば、企業が自社製品を中心に考える「製品志向」に陥ってしまい、顧客が何を求めているか考える「顧客志向」が疎かになってしまうことです。

マーケティング近視眼に陥ってしまうと、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 顧客のニーズに応えられず、顧客満足度が低下する
  • 競合他社に後れを取り、市場シェアを失う
  • 業績が悪化し、倒産に至る

マーケティング近視眼に陥ってしまった失敗例(コダック社)

コダック社は、かつて世界最大のカメラメーカーであり、フィルムカメラのシェアは90%を超えていました。しかし、デジタルカメラの普及に乗り遅れ、2012年に経営破綻しました。

コダックの失敗は、マーケティング近視眼の典型的な例です。コダックは、フィルムカメラの強みに固執し、デジタルカメラのニーズを十分に把握することができませんでした。顧客の真のニーズは「機能性の良いカメラが欲しい」ということではなく、「手軽に写真を撮りたい」というニーズであったことを見逃したということですね。そのため、デジタルカメラの普及に乗り遅れ、市場シェアを失いました。

マーケティング近視眼に陥らずに成功した例(任天堂)

任天堂は、WiiやNintendo Switchのヒットにより、ゲーム業界のトップに躍り出ました。「家族で楽しい時間を過ごしたい」というニーズを的確に捉え、流行しているスマホゲームには代替されない製品を生み出しました。任天堂は、常に顧客のニーズを把握し、それに応える製品やサービスを提供することで、マーケティング近視眼に陥らずに成功を収めています。

任天堂は、顧客のニーズを把握するために、徹底した市場調査を行っています。また、顧客の声を直接聞くために、ユーザーコミュニティを運営しています。

マーケティング近視眼に陥らないためには

マーケティング近視眼に陥らないためには、以下のような対策を講じることが重要です。

顧客のニーズを常に把握する

顧客のニーズを把握するためには、アンケートやインタビューなどの調査を行うことが有効です。また、顧客の声を直接聞く機会を増やすことも重要です。

顧客視点で物事を考える

顧客視点で物事を考えるためには、自社製品やサービスを客観的に見つめ直すことが大切です。また、顧客の立場に立って、自社の製品やサービスがどのように評価されるのかを考えることも重要です。

競合他社の動向を常に把握する

競合他社の動向を把握することで、自社の強みや弱みを客観的に把握することができます。また、競合他社がどのようなマーケティングを行っているのかを知ることで、自社のマーケティング戦略を立案する際に役立ちます。

新しい技術やトレンドを常にキャッチアップする

新しい技術やトレンドをキャッチアップすることで、新たなビジネスチャンスを創出することができます。また、顧客のニーズを先取りしたマーケティングを行うことも可能になります。

まとめ

マーケティング近視眼は、マーケティングを行う企業にとって大きなリスクです。マーケティング近視眼に陥らないためには、常に顧客のニーズを把握し、顧客視点で物事を考え、競合他社の動向を把握し、新しい技術やトレンドをキャッチアップすることが重要です。