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【イノベーター理論とは】キャズムやプロダクトサイクルなど関連ワードもまとめて解説

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新しい製品やサービスが市場に投入されると、その普及には時間がかかります。最初に製品やサービスを試すのは、リスクを恐れない人たちや、新しいものへの好奇心旺盛な人たちです。しかし、これらの層は市場全体のごく一部であり、マジョリティの人々に受け入れられるまでは、製品やサービスの普及はなかなか進みません。

この記事では、これらの状況を理解するために、「イノベーター理論」と「キャズム」について、わかりやすく解説します。また、関連する理論である「プロダクトサイクル」についても説明します。]

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著者「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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目次

イノベーター理論とは?

イノベーター理論とキャズム

イノベーター理論とキャズム

イノベーター理論とは、アメリカの社会学者エベレット・M・ロジャーズが提唱した、新しい製品やサービスが普及する過程を5つの段階に分類した理論です。

具体的には、以下の5つのタイプに分類されます。

イノベーター(革新者):2.5%

リスクを恐れない、新しいものへの好奇心旺盛な層。最新の技術やトレンドをいち早く取り入れます。

アーリーアダプター(初期採用者):13.5%

社会やコミュニティの中で影響力を持つ層。革新者から情報を得て、新しい製品やサービスを積極的に採用する人たち。「インフルエンサー」や「オピニオンリーダー」と呼ばれる人たちは、このイノベーターかアーリーアダプターに属すると考えられるでしょう。

アーリーマジョリティ(前期追随者):34%

保守的であり、新しいものへの抵抗感がある層。アーリーアダプターから情報を得て、慎重に新しい製品やサービスを採用する人たちです。

レイトマジョリティ(後期追随者):34%

価格や利便性などの条件が整ってから、初めて新しい製品やサービスを採用する層です。

ラガード(遅滞者):16%

新しいものへの抵抗感が強く、最新の製品やサービスは最後まで採用しない層です。

イノベーター理論の度数分布曲線は、S字型をしています。これは、新しい製品やサービスは、最初にイノベーターとアーリーアダプターによって採用され、その後アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードへと普及していくことを示しています。

キャズムとは?

イノベーター理論において、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に存在する溝を「キャズム」と呼びます。キャズムとは、アーリーマジョリティが新しい製品やサービスを採用する際に、感じる不安やリスクを意味します。

アーリーマジョリティは、新しいものへの抵抗感がある層であり、新しい製品やサービスを採用する際には、以下の不安やリスクを感じると考えられます。

  • 製品やサービスの機能や性能が十分に理解できない
  • 製品やサービスの価格が高い
  • 製品やサービスのサポート体制が整っていない
  • 周囲の人に受け入れられないかもしれない

これらの不安やリスクを解消できなければ、アーリーマジョリティは新しい製品やサービスを採用する決断を下すことができません。

参考動画

イノベーター理論とキャズムについて、より詳しく理解するために、TEDの 「社会運動はどうやって起こすか」(デレク・シヴァーズ)を参考にしてみてください。

TED 「社会運動はどうやって起こすか」デレク・シヴァーズ

この動画では、イノベーター理論とキャズム理論を、社会運動の普及に当てはめて解説しています。社会運動の普及にも、新しい製品やサービスの普及と同じように、イノベーターとアーリーアダプターが重要な役割を果たします。

関連する理論:プロダクトサイクル

プロダクトサイクルとは、製品やサービスのライフサイクルを、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの段階に分類した理論です。全てのプロダクトは、人間の人生と同じように、ステージがあるという考え方です。

イノベーター理論とプロダクトサイクルは、密接に関連しています。イノベーター理論の5つの消費者のタイプは、プロダクトサイクルの各段階に当てはめることができます。各プロダクトサイクルのステージに合わせて、ターゲットとなる顧客層を変更する必要があります。

  • イノベーター(革新者):導入期
  • アーリーアダプター(初期採用者):成長期
  • アーリーマジョリティ(前期追随者):成熟期
  • レイトマジョリティ(後期追随者):衰退期
  • ラガード(遅滞者):衰退期

プロダクトプロダクトサイクルを理解することで、新しい製品やサービスの普及を、より効果的に戦略化することができます。

まとめ

イノベーター理論とキャズム理論は、新しい製品やサービスの普及を理解するために重要な理論です。これらの理論を理解することで、新しい製品やサービスの成功につながるマーケティング戦略を立てることができます。