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フレーミング効果とは|日常の例やマーケティングの活用事例を紹介

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フレーミング効果

日常生活からビジネスの現場に至るまで、私たちの意思決定は様々な要因によって影響を受けます。特に「フレーミング効果」は、私たちの選択を大きく左右する心理的現象です。この記事では、フレーミング効果がどのように働き、日常生活やマーケティング戦略にどのように応用されるかを、初心者にもわかりやすく解説します。

目次

 

フレーミング効果とは

フレーミング効果とは、同じ情報が異なる方法で提示されることにより、人々の反応や選択が変わる現象を指します。言い換えると、情報の「枠組み」が私たちの判断や行動に影響を及ぼすのです。この効果は、認知心理学と意思決定の研究で重要な概念とされています。

コップ半分の水の捉え方(日常の例)

たとえば、半分だけ水が入ったコップを「半分しか水が入っていない」と表現するか、「半分も水が入っている」と表現するかで、私たちの捉え方が変わります。前者はネガティブな捉え方、後者はポジティブな捉え方となり、同じ状況でも感じ方が異なる典型的な例です。

損失回避の心理との関わり

人は一般に、損失を避けようとする心理(損失回避の原理)を持っています。フレーミング効果はこの心理に基づいており、何かを「失う」可能性があるという表現は、「得る」可能性があるという表現よりも強い動機付けを生み出すことが多いです。

McNeilの医療実験

McNeilらの有名な医療実験では、治療法を「生存率」と「死亡率」という二つの異なる枠組みで提示したところ、参加者の選択が大きく変わることが示されました。生存率90%はポジティブに感じられ、死亡率10%はネガティブに感じられるということです。これは、フレーミング効果が重要な医療決定にも影響を及ぼすことを示しています。

マーケティングの例

広告の例

広告では、製品やサービスをポジティブな文脈で提示することで、消費者の購入意欲を刺激します。例えば、「限定販売」や「特別割引」などの表現は、購入の機会損失を恐れる消費者の心理に訴えかけます。

また、「99%の無添加」というフレーミングは、「1%の添加物が含まれている」というフレーミングよりも、無添加であることの印象が強くなります。これは、99%という数字は「得られる利益」を強調する数字であるためです。

販促キャンペーンの例

販促キャンペーンでは、「購入しないと損をする」というフレームを用いることが一般的です。ポイント還元やキャッシュバックなどのオファーは、消費者が得する機会を強調し、購買意欲を高める効果があります。

また、「100円引き」というフレーミングは、「90円で買える」というフレーミングよりも、お得感を演出することができます。これは、「100円引き」というフレーミングは「得られる利益」を強調するフレーミングであるためです。

まとめ

フレーミング効果は、私たちの日常生活からビジネスの意思決定に至るまで、様々な場面でその影響を及ぼします。この効果を理解し、適切に応用することで、より効果的なコミュニケーションや戦略的な意思決定が可能になります。重要なのは、情報の提示方法が私たちの判断に大きな影響を与えるという事実を常に意識することです。