現在のマーケティングにおいてデジタル広告は欠かせない存在となっており、紙のDMや広告は時代遅れだと見なされています。そんな中で、日経クロストレンドの記事でこの紙のDMが成長企業の間で再び注目を浴びているというニュースを目にしました。
実は私自身はダイレクト・レスポンス・マーケティングの出身で、このDMを活用したマーケティングは専門領域の一つです。そこで今回の記事では、この「紙DMの復権」についてその理由をまとめたいと思います。
ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著者「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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参考資料
- 日経クロストレンド『デジマ時代に「ダイレクトメール」復権のなぜ DMに起きた2つの進化』
目次
DMとは
DMとは、ダイレクトメールの略称で、郵便や宅配便で顧客に直接送る広告宣伝物のことです。チラシやハガキ、封書などが一般的です。企業は顧客リストを収集し、ターゲット顧客となるリストに対して紙の広告(DM)を送りコミュニケーションすることで効率的に販売を仕掛けることができます。
DMに集まる注目
上記の記事によると、大手のSaaS企業であるセールスフォースや、freeeなどのメガベンチャー企業のマーケティングで、この紙のDMの活用が重要視されているとのことです。私が個人的に知っているインターネットサービス系の企業でも、紙のDMや、場合によってはFAXなどのオールドメディアが活用されています。デジタルマーケティングの時代に、なぜこのような古臭いとも捉えかねられないメディアが注目されているのでしょうか。
紙のDMが注目されている理由
紙のDMが再び注目されている理由をいくつか挙げていきましょう。
コスパとデジマとの相性の良さ
DMは実は非常にコストパフォーマンスの高いマーケティング手法です。莫大なコストが必要なマス広告に頼ることなく、オフライン広告を活用することができるからです。また、リストの中の顧客毎に売り上げに繋がったかどうかを分析できるので、同じような特性を持つデジタルマーケティングとの相性も良いです。
デジタル広告は飽和状態
近年、インターネット広告やSNS広告などのデジタル広告が主流になっています。しかし、その分、広告の数が多く、オンラインの広告費は高騰してしまっている上に、ユーザーは広告疲れを起こしてしまっている傾向があります。
紙だからこそ手に取りやすい
デジタル広告は画面上の一瞬の情報ですが、紙DMは手に取ってじっくりと見ることができます。特に、高年齢層はデジタル機器に慣れていないため、紙DMの方が訴求効果が高いと言われています。中小企業の社長は中高年の方も多く、デジタル機器に慣れていない人にとっては、紙DMの方が効果的な場合が多いのです。
紙DMは伝えられる情報量が多い
紙DMは、デジタル広告よりも多くの情報を伝えることができます。Webページで長文を読むのは辛いものですが、紙の冊子であれば飛ばし読みをしながらサクサク読めるという方も多いのではないでしょうか。商品やサービスの詳細だけでなく、企業理念やストーリーなども伝えることができます。
紙の方が保存しやすい
デジタル広告は保存しにくいですが、紙DMは保存しやすいというメリットがあります。興味を持った顧客は、後でじっくりと内容を確認することができます。
デジタルと紙DMの組み合わせが効果的
デジタル広告と紙DMを組み合わせることで、相乗効果を生み出すことができます。例えば、デジタル広告で顧客の興味を引いた後に、紙DMで詳細情報を送るといった方法が有効です。
まとめ
デジタル時代だからこそ、紙DMが注目されています。紙DMは、デジタル広告では訴求できない層にアプローチできるというメリットがあります。デジタル広告と紙DMを組み合わせることで、より効果的なマーケティング活動を行うことができます。