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セブンイレブンの健康ブランド「サイクルミー」に学ぶマーケティング【4Pで分析】

サイクルミー

セブンイレブンでひときわおしゃれなパッケージで目立っている商品「サイクルミー(cycle.me)」を目にしたことのある方は多いのではないでしょうか。

近年、健康志向の高まりから、コンビニエンスストアでも健康に特化した商品が続々と発売されています。その中でも、セブンイレブンが三井物産と共同開発した健康ブランド「サイクルミー」は、時間帯に合わせた栄養摂取を提案するユニークなコンセプトで注目を集めています。この記事では、そんなサイクルミーをマーケティング戦略の観点から4Pなども使いながら考察してみましょう。

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著書「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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参考資料

  • サイクルミー(cycle.me)公式サイト
  • BUSINESS INSIDER 『セブンイレブン、オリジナル新健康ブランド「サイクルミー」はコンビニの景色を変えるか?』

目次

「サイクルミー(cycle.me)」とは

Cycle.me

Cycle.me (写真はWebサイトより)

三井物産とセブンイレブンの共同開発

サイクルミーは、三井物産とセブンイレブンが共同開発したウェルビーイングブランドです。「時間で選ぶ美味しい栄養」というコンセプトのもと、朝・昼・夜の時間帯に合わせた3つのカテゴリで商品を展開しています。セブンイレブン限定商品と、それ以外のオリジナルシリーズがあります。

時間帯ごとの栄養摂取を提案

サイクルミーの特徴は、時間帯ごとに必要な栄養素を配合した商品設計にあります。例えば、タンパク質がたっぷり取れる果汁系のプロテインドリンク、昼はストレスのかかるデスクワークにGABA入り作業用クッキー、夜は睡眠の質の向上に役立つGABA入りミルク用スパイスミックスなどのラインナップです。

4Pで見るサイクルミーの戦略

商品(Product)

サイクルミーは、時間帯に合わせた栄養摂取というユニークなコンセプトに加え、おしゃれなパッケージデザインも特徴です。ターゲットである若い世代の購買意欲を高める工夫がされています。

価格(Price)

価格は、コンビニエンスストアで販売される同様の商品と比較しても同程度の価格帯に設定されています。以下のような手に取りやすい価格設定は、顧客層の拡大につながります。

  • ホットルイボスティー(450ml) ¥149(税込)
  • ベトナムフォー(32g) ¥213(税込)
  • ゼリー(180g) ¥213(税込)、など

販促(Promotion)

サイクルミーは、セブンイレブンの店舗の一角に特設コーナーを設けてプロモーションを行っています。実際に店舗に足を運んでみると、入り口付近のかなり目立つ位置に置かれており、プロモーションに力を入れていることがわかります。

流通(Place)

2024年現在で国内には全国約2万店舗のセブンイレブンがあります。圧倒的な店舗数を活かした大規模販売は、ブランド認知度の向上に貢献していると言えそうです。

成否を分けるカギは

上記のようにかなりパワフルな販売を仕掛けているサイクルミーですが、2023年6月に発売したばかりですので、成否は今後問われていくと思われます。その成否は、時間帯に合わせた栄養摂取という商品コンセプトが若い世代に受け入れられるかどうかが鍵となりそうです。

「時間帯によって摂取する栄養を変えたい」というニーズは元々あるものではないと思います。それをこの商品によって顕在化させようというのが商品開発側の狙いだとすると、本当にその潜在的なニーズがあれば成功できるでしょう。一方でそんなニーズは元々潜在していないという可能性も十分にあると思います。今後のサイクルミーの成長に注目ですね。

まとめ

サイクルミーは、時間帯に合わせた栄養摂取というユニークなコンセプトと、セブンイレブンの販売網を活かしたマーケティング戦略によって話題を集めています。今後も商品ラインナップの拡充や、新たな販促活動などを通じて、ブランド認知度向上と顧客層拡大を目指していくでしょう。