Marketing101

マーケティング101|ゼロからわかるビジネススキルマガジン

【デジタルマーケティングとは】基礎とWebマーケティングとの違いまで解説

デジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングとは、インターネットやデジタル技術を活用したマーケティング手法の総称です。WebサイトやSNS、メール、検索エンジンなどを利用して、顧客との接点をつくり、情報提供、関心・興味喚起を通じて商品やサービスの購入につなげるのが狙いです。

近年、インターネットの普及やスマートフォンの登場により、デジタルマーケティングの重要性が高まっていることは言うまでもありません。この記事では、デジタルマーケティングの基礎とWebマーケティングとの違い、デジタル時代の消費者行動モデル、マルチメディアのカスタマージャニー、3つのキーワード戦略について解説します。

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著者「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
★Follow me → X(Twitter)

参考書籍

船井総合研究所『図解 よくわかるこれからのデジタルマーケティング』

目次

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングは、以下の2つの要素を備えたマーケティング手法です。

  • デジタル技術の活用
  • 顧客とのコミュニケーション

デジタル技術を活用することで、顧客の行動をより細かく分析し、効果的なマーケティング施策を打つことができます。また、顧客とのコミュニケーションを重視することで、顧客との信頼関係を築き、長期的な関係を構築することができます。

Webマーケティング・SNSマーケティングとの違い

Webマーケティングは、デジタルマーケティングの一種であり、WebサイトやWebサービスを活用したマーケティング手法です。Webマーケティングは、デジタルマーケティングの基礎的な要素であり、デジタルマーケティングを行う上で重要な役割を果たします。

一般的にはWebマーケティングはとてもイメージしやすいと思います。集客するために、インターネット広告を実施したり、SEOを行ったり、SNSで情報を発信したりすることを主には指します。このSNSの情報発信の部分がいわゆるSNSマーケティングですね。

これに対して、デジタルマーケティングは、顧客のオンライン上の行動全体を管理するようなイメージで、Webマーケティングの上位概念になります。例えば、MA(マーケティング・オートメーション)というツールを使って、ユーザーひとり1人の行動に合わせてコミュニケーションを行うことを設計したり、商品を購入した後のユーザーに適したタイミングで情報を提供してロイヤリティを高めたりする活動全体を指します。

デジタル時代の消費者行動モデル(AISAS/5A)

デジタル時代の消費者行動モデルには、大きく分けて2つのモデルがあります。

  • AISASモデル
  • 5Aモデル

AISASモデルは、消費者の購買行動を「Attention(認知)」「Interest(興味・関心)」「Search(検索)」「Action(行動)」「Share(共有)」の5つの段階に分けたモデルです。

消費者は、まず商品やサービスに認知し、興味・関心を持ちます。そして、商品やサービスについてさらに詳しく調べ、行動に移します。最後に、商品やサービスの体験をSNSなどで共有します。SNSで消費者が情報をシェアし、それがまた最初の「認知」につながっていく、と言うのがデジタル時代ならではでしょう。

5Aモデルは、消費者の購買行動を認知(Aware)、訴求(Appeal)、調査(Ask)、行動(Act)、推奨(Advocate)の5つの段階に分けたモデルです。「マーケティング4.0」の中で経営学者のフィリップ・コトラーが提唱しました。「推奨(Advocate)」というプロセスが入っていることが大きな特徴で、いかに既存顧客の満足度を高め、他の消費者に推奨してもらえるかが重要というデジタル時代のマーケティングの特徴を表しています。

マルチメディアのカスタマージャニー

デジタル時代の消費者は、複数のメディアを横断して情報収集や購買行動を行います。このような消費者行動を「マルチメディアのカスタマージャニー」と呼びます。デジタル時代だからといって、全てがオンライン上で完結するわけではないことをよく認識することが重要です。

面白い事例としては、デジタル時代の覇者であるGoogleやAmazonですら交通広告などのオフライン広告に予算を割いて行っているということです。オンライン広告が全てを解決してくれるわけではないということを、デジタル時代の覇者たち自らが語っている事例でしょう。

マーケティング担当者は、戦略を立てる時に、オンラインとオフラインの媒体をユーザーがどのように行動するかを仮説を立てて想定する必要があります。マルチメディアのカスタマージャニーを理解することで、消費者のニーズを的確に捉え、効果的なマーケティング施策を行うことができます。

3つのキーワード戦略(課題・解決策・指名ワード)

デジタルマーケティングにおいて、キーワード戦略は重要なポイントです。キーワード戦略とは、ターゲットとする顧客が検索する可能性のあるキーワードを分析し、それらのキーワードを活用してマーケティング施策を打つ戦略です。Googleなどの検索エンジンもそうですし、それだけではなく多くのSNSプラットフォームやYouTubeなどのプラットフォーム、AmazonなどのECサイト上でもユーザーの検索行動が発生する以上は同じです。

  • 課題ワード:顧客が抱える課題やニーズに関連するキーワード(例「ダイエット方法」)
  • 解決策ワード:顧客の問題を解決する製品やサービスのカテゴリをすでに知っていて、カテゴリ内にあるブランドの中から良いものを探したい時に検索するキーワード(例「世田谷区 ジム」)
  • 指名ワード:ブランド名や特定の製品名など、顧客がすでに認知しており、ピンポイントで検索するときのキーワード(例「ABCジム」)

これらのキーワードを戦略的に使ってオンライン上のマーケティングを推進していきましょう。

まとめ

デジタルマーケティングは、進化するテクノロジーと消費者の変化する行動に適応することで、ビジネスの成長を促進する鍵となります。多様なデジタルチャネルを活用し、顧客との関係構築に重点を置くことが重要です。また、効果的なキーワード戦略を通じて、顧客のニーズに対応し、ブランドの価値を高めることができます。デジタルマーケティングの世界は常に進化しているため、最新のトレンドを追い続け、柔軟な戦略の適応が成功への鍵となります。