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お花のサブスク「ブルーミー」に学ぶマーケティング【ターゲット拡大とサブスクモデル】

ブルーミーの成功要因

近年、サブスクリプションサービスは様々な分野で利用が広がっています。その中でも、お花のサブスクサービス「ブルーミー」は、2016年のサービス開始から急成長を遂げ、2022年1月時点で会員数10万世帯を突破しました。花業界に一般消費者のサブスクを持ち込んだ画期的なサービスといえます。この記事では、ブルーミーの成功要因を考察しまとめたいと思います。

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著書「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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参考資料

  • Forbes JAPAN『「花業界をサステナブルに」で成長する、ユーザーライク経営の秘訣』
  • User Like 公式WEBサイト(userlike.jp)
  • FASTGROW『累計40億円調達。花のサブスク「ブルーミー(bloomee)」は、花き産業のリーダーになれるのか?』

目次

ブルーミーとは

ブルーミーは、2014年に設立されたユーザーライク株式会社が運営するお花のサブスクサービスです。2016年6月に現在の定期便サービス「ブルーミー(bloomee)」をローンチし、新鮮な花束を定期的に届けることで、お花のある暮らしを提案しています。

ブルーミー事業の現状

ブルーミーは、2022年1月時点で会員数10万世帯を突破し、花業界を牽引する存在となっています。デロイト発表「日本テクノロジーFast 50」も受賞しており、近年注目の事業の一つです。Forbesなどの多くのメディアでも取り上げられています。

特筆すべき点は、ブルーミーユーザーの約8割が「今までお花を飾る習慣が無かった」という点です。従来の花業界の顧客ではなく、新しい価値提供により需要やマーケットを創出していることが分かります。

ブルーミーの成功要因

ではこのブルーミーの成功要因は何でしょうか。以下の4つの観点から考察します。

1. 徹底したユーザー調査

ブルーミーは、サービス開始前に徹底したユーザー調査を行い、潜在的なニーズを掘り起こしました。その結果、従来の花業界ではターゲットとされていなかった層へのアプローチに成功しました。CEO武井さんのインタビューによると「部門を問わず、全社員が毎月ユーザーインタビューする」という文化があるようです。これほど徹底したユーザー起点の文化を持っている企業はなかなかないのではないでしょうか。

2. 花業界としては低価格の提供

一般的な花屋では、フラワーアレンジメントなどのセットで販売されていることが多く、3000円以上の価格帯が一般的です。高級な花屋だと数万円かかることもあります。一方ブルーミーは、880円/回や1,980円/回などの低単価でサービスを提供しています。

3. 「ギフト用」から「自分用」へのターゲット拡大

日本の市場では一般的に、花を買う動機は「ギフト用」が多かったところを、ブルーミーは「自分用」に買うことを提案することでターゲット層を拡大。新しい市場を創り出すことに成功しました。

4. サブスクリプション型の買いやすさと収益性の高さ

サブスクリプション型は、顧客にとって継続的な購入が容易であり、企業にとっても安定的な収益源となります。ブルーミーは、サブスクモデルのメリットを最大限に活かしたビジネスモデルを構築しています。上記で「低価格での提供」としましたが、継続されることによって顧客単価は高まっていくというところは事業継続の上でポイントになりそうです。

まとめ

ブルーミーは、徹底したユーザー調査、低価格戦略、ターゲット拡大、サブスクモデルの活用など、様々な要因によって成功を収めています。今後も、お花のサブスク市場は拡大していくことが予想されます。ブルーミーは、今後も市場を牽引する存在として、さらなる成長が期待されます。