企業は、自社の商品やサービスを売るために、広告を打ち出します。その広告に対して「なんで企業はあんなに費用をかけて広告を打つのだろう」「意味あるのかな」「ちょっとうざい」なんて思う方もいるかもしれません。もちろん、過剰な広告は、人にネガティブな印象を与える可能性があることを念頭に置かなければなりません。
しかし、多くの企業がこれほど広告を繰り返すには理由があります。広告には、人間の心理に働きかける効果があるからです。この記事では、広告に関する4つの人間心理について解説します。これらの心理を理解して、広告の効果を最大化しましょう・
ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著者「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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目次
広告とは
広告とは、商品やサービスの宣伝・告知を目的としたコミュニケーション活動です。広告は、さまざまな媒体を使って行われ、その種類は多岐にわたります。インターネット広告(SNSやWebサイト上など)、交通広告、チラシ/ポスターなどが近年の主要な公告媒体です。
広告に関する4つの人間心理
冒頭でもお伝えしましたが、広告は人の心理や認知に強く働きかける力があります。代表的な4つの心理/原理を見ていきましょう。
- 単純接触効果
- ハロー効果
- 権威の原理
- 連合の法則
1. 単純接触効果
単純接触効果とは、ある対象に繰り返し接触することによって、その対象に対する好感度や信頼度が高まる効果のことです。
広告においては、単純接触効果によって、商品やサービスに対する認知度や好感度を高めることができます。そのため、企業は、継続的に広告を打ち出すことで、単純接触効果を狙います。
2. ハロー効果
ハロー効果とは、ある対象の特定の印象が、その対象の他の印象にも影響を与える効果のことです。例えば、見た目が好印象な人に、性格も良いという印象を持つことがあります。これは、ハロー効果の一種です。
広告においては、ハロー効果によって、商品やサービスのイメージを向上させることができます。イメージの良い有名人を広告塔に起用するのはそのためです。企業は、商品やサービスの良いイメージを強調する広告を打ち出すことで、ハロー効果を狙います。
3. 権威の原理
権威の原理とは、権威のある人物や団体の発言や行動に影響を受けやすいという心理のことです。
例えば、投資の専門家が「この株は今お買い得ですよ」というと、多くの人は「この株を買えば儲かるかもしれない」と思います。これは、権威の原理の一種です。
広告においては、権威の原理によって、商品やサービスの信頼性を高めることができます。そのため、企業は、専門家などの権威のある人物や団体を起用する広告を打ち出すことで、権威の原理を狙います。
4. 連合の法則
連合の法則とは、ある対象と他の対象が結び付けられることで、その2つの対象に対する評価が影響し合う効果のことです。
例えば、アパレル商品と可愛い動物や子供を一緒に見せると、どちらも可愛い/愛くるしいものだと感じることがあります。これは、連合の法則の一種です。
広告においては、連合の法則によって、商品やサービスの価値を高めることができます。そのため、企業は、商品やサービスと、高級感や価値のあるイメージのあるものを結び付ける広告を打ち出すことで、連合の法則を狙います。
まとめ
広告は、人間の心理に働きかける効果があります。これらの心理を理解することで、広告の効果を最大化することができます。広告を打ち出す際には、ターゲットとなる消費者の心理を把握し、その心理に訴えかけるような広告を作成するようにしましょう。