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ウォーターフォール型/アジャイル型プロジェクトの違いとは?【プロジェクトマネジメントの基礎】

ウォーターフォール型プロジェクトとは

マーケターの非常に重要な役割の一つに「プロジェクトマネジメント」があります。マーケティングのプロジェクトが大きくなればなるほど、様々な関係者とコミュニケーションをとり、交渉や議論しながらプロジェクトを進めていく必要があるからです。

プロジェクトを成功に導くための手法を選択をする上で、ウォーターフォール型とアジャイル型という二つの主要な手法があります。これらはプロジェクトの特性や目的に応じて適切に選ばれるべきですが、その選択をするためには、まずはそれぞれの特徴を正確に理解することが必要です。この記事では、プロジェクトマネジメントの基礎として、ウォーターフォール型とアジャイル型のプロジェクトの違いについて解説していきます。

ライター:タイスケ|Taisuke
事業会社(日系および外資)でマーケティング歴10年以上。戦略立案など上流から広告やセールスライティングなどの下流までをワンストップで推進できることが強みです。豪州Bond大学でMBAを取得しており経営学にも精通しています。著書「マーケティング思考のセールスライティング基礎と定石」
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参考資料

  • 前田和哉「プロジェクトマネジメントの基本がこれ1冊でしっかり身につく本」

目次

プロジェクトマネジメントの3大制約条件とは

まず、本題に入る前に、前提の知識を確認しておきましょう。プロジェクトマネジメントにおいては、「スコープ」「スケジュール」「コスト」の3つが基本的な制約条件とされています。これらはプロジェクトの「トリプルコンストレイント」とも呼ばれ、プロジェクトの成功を左右する重要な要素です。

  • スコープ:プロジェクトで成し遂げるべき全ての作業および成果物を指します。スコープが明確でないと、プロジェクトの目的達成が難しくなります。
  • スケジュール:プロジェクトの開始から完了までの時間枠です。適切なスケジュール管理がなされていないと、プロジェクトが遅延する可能性があります。
  • コスト:プロジェクトの実施に必要な総費用です。コストオーバーはプロジェクトのリスクを高め、結果的にプロジェクトの利益を損なうことにつながります。

プロジェクトマネジメントの3大制約条件を確認したところで、早速本題のウォーターフォール型とアジャイル型のプロジェクトについて確認していきましょう。

ウォーターフォール型とは

ウォーターフォール型プロジェクトマネジメントは、プロジェクトを線形に進行させる手法です。この手法では、プロジェクトの各フェーズ(例:要件定義、設計、実装、テスト、リリース)が順序立てて実施され、一つのフェーズが完了するまで次のフェーズには進みません。

特徴としては、スコープがプロジェクト開始時に固定され、それに基づいてスケジュールとコストが計画されます。変更が必要になった場合、プロジェクトの遅延やコスト増加を招く可能性があります。

ウォーターフォール型プロジェクトの事例:建設プロジェクトや一部のソフトウェア開発プロジェクトなど、事前に詳細な計画を立てることが可能で、変更の余地が少ないプロジェクトに適しています。

例えば、ビルを建設する時に、設計図が確定し、建設をスタートした段階で、ビルの形や高さを変更しようと思うとかなり無理がありますね。このように「スコープ」を途中で変更するのが難しいプロジェクトは、ウォーターフォール型プロジェクトの適用が合っています。

アジャイル型とは

アジャイル型プロジェクトマネジメントは、柔軟性と迅速なフィードバックに焦点を当てた手法です。アジャイルは変更に柔軟に対応することを目的としており、顧客のフィードバックを迅速に取り入れることができます。

特徴としては、スケジュールとコストが固定されており、スコープが変化する可能性があるということです。Webサイトやスマートフォンのアプリ開発など、比較的開発の規模が小さく、途中で修正しやすいプロジェクトに適用されることが多いです。スケジュールとコストが固定されることが多い背景としては、スコープが修正される場合、スケジュールとコストが固定されていないと、プロジェクトの終わりが見えなくなってしまうからです。

アジャイル型プロジェクトの事例:ソフトウェア開発が典型的ですが、製品開発やマーケティングキャンペーンなど、短いサイクルでの評価と改善が求められるプロジェクトにも適用できます。

まとめ

ウォーターフォール型とアジャイル型は、プロジェクトマネジメントの二大手法として、それぞれのプロジェクトの特性や目的に応じて選択されるべきです。

プロジェクトの成功を確実にするためには、これらの手法の特徴を理解し、プロジェクトの目的や環境に最も合致する手法を選択することが重要です。また、プロジェクトの進行に合わせて手法を柔軟に組み合わせることで、更に効率的なプロジェクト管理を実現することも可能です。